2009年12月29日火曜日

四君子(しくんし)のお重

12月26日のスーパーのチラシは、もう一斉にお正月モード。
クリスマスの余韻はまるでありません。すごいなぁーと感心しつつ、お正月と言えばおせち料理。おせち料理と言えば重箱だ!と、我が家のお宝を出してみました。

“器は使いましょう”運動の私でも、さすがにこの重箱は1年に1度あるいはそれ以下しかお目見えしません。

まっ、そういう“特別な器”もあるということで・・・

このお重の作者は輪島の若島孝雄さん。蒔絵の文様は四君子(しくんし)です。蘭、竹、菊、梅の文様が各面に描かれていて品格があります。

お重としては少し小ぶりで、2人用のおせちにはちょうどいいでしょうと母からのプレゼントでした。

今回はおせち料理のかわりに、ダロワイヨのマカロンを詰めてみました。

蓋のある器は、“蓋をとった瞬間の楽しみ”というものがあります。

でも、マカロンは意外過ぎましたかね・・・?

やっぱりこのお重には、きちんとした料理を盛りつけたいなと安直に走った己を反省するのでした。

釉美屋 石川恭子
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2009年12月20日日曜日

大室桃生のガラスの器

今回はクリスマスの季節にふさわしい華やかなガラスの器に牡蠣のマリネを盛ってみました。

この作品を見ていただければ、ガラスは夏の物という概念は捨てていただけるのではないかと?

作者は大室桃生さん。作品は石膏型に粒粒のガラスを詰めて窯で焼くキルンワークです。ガラスならではの多色使いと、透けるような透けないような微妙な感じ、そして360度同じ絵柄が無いこの器は見ていて本当に飽きがきません。

ずっと飾ってあったのですが、思い切って使ってみることにしました。なかなかいい感じ!ガラスってほんと便利。生牡蠣を入れた後でも洗えば匂いも残らずきれいさっぱり・・・って、何かの宣伝かしら?

釉美屋 石川恭子
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2009年12月13日日曜日

『ひさご盆』赤い漆器

前回に引き続き、今週も赤い漆器、輪島の箱瀬淳一さんの『ひさご盆』です。ひさごってひょうたんのことですよ。

縦13㎝、横24㎝のかわいらしいお盆です。

形が愛らしくて、またまた衝動買いした作品です。

もっとも、作品を買うときは衝動買いというか即決します。後から『あれ良かったなー』と思っても、2度とお目にかからないものがたくさんあるのです。

今回は、このお盆に食前酒と軽いおつまみを盛ってみました。

うなぎのかば焼きとキュウリを短冊に切って、ちょこっとミルフィーユ風。

客人を招いた時などに重宝します。何せ切るだけですから(笑)

問題なのは、これをスターターに出した後に続く料理の“釣り合い”がとれるか?なのです。冷や汗がでます。

1点豪華主義と居直るか、はたまた料理本を漁り、ジタバタするか・・・?

釉美屋 石川恭子
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2009年12月5日土曜日

お弁当箱

今回は、“お弁当箱にお弁当を詰める”というオチのない話ですみません。

サバの塩焼き、南瓜の含め煮、小松菜と油揚げの炒めもの、玉子焼、煮豆と、まさに絵に描いたような中身になってしまいました。

これで普通にご飯を詰めたんじゃ面白くないと意地をみせ、(なんの意地かしら・・・?)ご飯は末広に型抜きしました。ご飯が白くないのは、発芽玄米と雑穀のブレンド米だからです。

ご飯抜きの型は、物相型(もっそうがた)と言うステンレス製のもので、合羽橋で700円ぐらい。なんか楽しい道具です。集めたくなります。

本題のお弁当箱は、神楽坂の雑貨屋で見つけました。

木製で漆塗りと書いてあったように記憶しますが、2000円という値段から木くずを固めた→木製、カシュー(ほんとの漆じゃありません)→漆塗りかなー?と思っています。とにかく、この色と形が気に入って衝動買いした代物です。

赤い器って、独特ですよね。華やいだ気分になるというか、物がおいしそうに見えるというか。漆器は怖いと思っていらっしゃる方にはこの手の商品はお勧めです。気軽に使ってお楽しみください。もちろん、お弁当じゃなくていいんですよ。

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2009年11月29日日曜日

バカラグラスとアイスクリーム

地下鉄の車内広告に、ウィスキーの宣伝を見つけました。

写っているグラスはどうみてもバカラ。

バカラグラスって、いつみても絵になるなぁーと、肝心のウィスキーはそっちのけで感心してました。

そういえば、うちにもあるなぁ・・・。というわけで今回はバカラグラスに大好物のアイスクリームをいれてみました。

寒い季節に、暖かい部屋で食べるアイスクリームはまた格別ですよね。カップからそのまま食べたんじゃあ、ムードが出ません。といっても一人で食べてるんですが・・・

バカラグラスって、一昔前は高級グラスの代名詞でしたが、(今でもそうか・・・)昨今はちょっとがんばれば買えるお値段になりましたね。赤い絨毯の専門店で買わなくても、何故か電気屋、はたまた地元の大型スーバーでも目にするようになりました。

日常の中のちょっとした“非日常”。皆さんもおひとついかがですか?ちなみに私の甥は、バカラで飲むオレンジジュースが彼の贅沢タイムなのだそうです。

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2009年11月22日日曜日

浄法寺漆器

釉美屋主催の展覧会、月岡三郎作陶展は16日に無事終了致しました。


今回は、会期中に会場でお出しした器とお菓子を紹介します。

器は浄法寺漆器、作者はわかりません。塗りは、赤みが透けて見えることから、溜塗りではないかと思いますが、技法で使っているのではなく、使って使いやすいか、見て美しいかが器の勝負どころと考えています。

軽くて、縁の立ち上がりがほどよく、今回のお菓子にはぴったりでした。

お菓子は、京都の末冨さんにお願いしました。

麩焼煎餅にすすきの焼印、裏には白砂糖がまあるくかかって、満月を表しています。(お見せできなくてすみません)紅葉は、すはまの生地でできています。京都のお土産にすはま団子というのがありますが、その味です。ほんのりきなこ味。この2つの組み合わせでパーフェクト!とのことでした。(末冨さん談)

ちょっと“非日常”ですかね。やってる私が日常を脱した贅沢な気分にニマニマしてました。

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2009年11月13日金曜日

黄瀬戸の器

空気が乾燥してくると、温かくて汁けのあるものが食べたくなります。

我が家の近くに相木屋という個人商店の魚屋さんがあって、

そこのいわし団子が大好きなのです。


大根といわし団子を煮て(具が2種類しかないおでん)、黄瀬戸の器に

盛ってみました。どなたかのホームページに、黄瀬戸は暑苦しいから

夏は食卓に登場せず、秋冬専門と書かれていましたが、確かに。

この器はすすきの文様なので、ますます“秋”専門といったところでしょうか。


器の作者は黄瀬戸一筋、りんどう窯の小松幸代さん。直径約20㎝、ご覧のとおり

立ち上がりがあるので、シチューなどもいけます。軽くて、使いやすいのですが、

磁器ものと違って、優しく扱ってあげないとだめですね。テーブルの角にでも

あてようものなら、その後の“悲鳴”と“落胆”を保証します。

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2009年11月5日木曜日

金属の器

今回の器は金属です。皆様にとって一番馴染みのない素材ではないでしょうか?私はやきものやの娘ですが、実はとっても金属好き。

銀、錫、銅、鉄などテーブルウェアとして登場する金属はそれぞれに特徴があり、各々の作り手によって“かわいいやつ”に変身します。

この器の作者は、金工家の田口司緒里さん。

銅板を鎚でたたいて作る鍛金という技法で作られていて、器の内側は錫をひいています。

果物やアイスクリームなどデザート皿にしようかと思案していたら、見透かされたかのように、『石川さん、これ、オーブンにいれられますから』と彼女の一言。ついでに、『やけどにはご注意を』というわけで、今回の料理は、カラーピーマンを炒めて器に盛り、チーズをのせてオーブンで焼いてみました。仕上げにカイエンヌペッパーを一振り。

簡単でおしゃれな一品と自己満足にひたってます。
 
釉美屋 石川恭子
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2009年11月1日日曜日

漆の器

毎朝、ヨーグルトを食べます。特にヨーグルト好きというわけではありませんが、美容と健康のためかな。

凝り性なので、トッピングにも気を使ってプルーンです。

毎朝、食卓に登場するのが、この漆器。浄法寺塗です。

作者は岩舘隆さん。この器、買ってから12年以上はたっていますが、かわらず美しい!のです。といいますか、漆の器は使いこむほど艶が増して美しくなるというのは、ほんとのことだと思いますよ。

汁椀ですが、スープでも、おかずでも、一人分のちらし寿司でも、何にでも使えてとにかく便利。

手に持ったときの温かさ、柔らかさは他の素材では味わえないものです。それにこの赤という色もいいでしょう?

元気がでます。新聞片手に一人ご飯の方、食卓の友にいかがですか?

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2009年10月24日土曜日

河上恭一郎氏のガラスの器『夏草』

今回の器は、河上恭一郎氏のガラスの器、『夏草』(径14.5㎝、高9㎝)です。

タイトルからして季節はずれだなーとお思いの方もいらっしゃるかと…

でも、食卓の上が陶器一辺倒というのも面白くないものですよ。

ガラスの器は一年を通して使え、お役立ち度満点です。

夏ならばおそうめんとかいれますが、今回は、サラダにしました。

このマカロニ、ゆで時間が90秒というすぐれもの。キュウリとミニトマトを切り、缶詰のミックスビーンズをマヨネーズで和えておしまいという、またまた10分クッキング。

世の中、ハロウィン一色なので、スライスしたカボチャの蒸し焼きをトッピングしてみました。

この器、一目見たときから、これは使える!と思いましたが、実際使ってみると大きさ・形・安定感、どれも文句なし。私のお気に入りの一つです。


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2009年10月15日木曜日

月岡三郎作陶展

商売以前に、無類の『器』好きです。素敵な器はどんな“しょぼい料理”も“素敵な料理”に変身させてくれるから。まさに馬子にも衣装ってやつです。

写真の『器』は、練上刳抜燻焼中鉢(月岡三郎作)、料理は、海老を焼いたものと福岡土産の生姜の甘酢漬。10分で作った簡単手抜き酒の肴です。

作家が作ったものだから、値段が高いから、そんなことに怖気づいてはいけません。

『器』は日々使ってこそなのです。使うのはいいけど壊したらどうしよう?

大丈夫!また新しいお気に入りを買ってください。

釉美屋 石川恭子


月岡三郎作陶展
11月11日~16日まで開催
詳細は、http://www.yubiya.jp/